続報・沖縄公庫
問題の指定履歴書が改善されることに
『琉球新報』報道


 政府系金融機関の沖縄振興開発金融公庫(沖縄公庫)の 指定履歴書(エントリーシート)の問題点を「大追跡」で指摘した。 <公庫内に知り合いがいますか?><“はい”と答えた方は その方のお名前をご記入ください>という項目は、情実につながる 恐れや学生を色眼鏡で見る恐れが生じうる、と。

 10月15日付『琉球新報』社会面(写真参照)によると、 厚生労働省が改善指導に乗り出した結果、沖縄公庫はこの項目を 廃止することになった。メデタシメデタシ、ではある。しかし、 幕を閉じる前にあと少しだけ書いておこう。

 新報の社会部記者が取材を始めた翌日の午前11時20分ごろ、 私の部屋に沖縄公庫から電話がかかってきた。2ヵ月前に 私が電話で問い合わせた人の上司である。情実などに つながることはないと明言したうえで、「(応募者の)より多くの情報を とりたいということで(あの項目を載せ)始めた」と説明してくれた。 ありがとう。で、この程度のことしか言えない (言えるわけがないんだけどね)のに、 2ヵ月もかかったわけですか。ホントにホントにお疲れさまでした。 さぞかし沖縄公庫の皆様は夏休みをとる暇も週末休むこともできないくらい 忙しかったんでしょう。私は性善説に立っているので、 好意的にそう解釈しておこう。

 それにしても、世の中には、「黙っていたほうが賢くみえるのに」と思う ことがあるものだ。沖縄公庫の説明がこれに当たる(実は私も そう言われることが時々ある)。公平性が求められる 公的機関の就職試験に関して 個人情報を入手しようという考え方自体が問題であり、 外部から指摘されるまで気づかなかった無神経さが 笑われているのだよ。ここまで言わないと沖縄公庫は 分からないのか?

 14日、沖縄王にメールが届いた。その一部を紹介する。

 今回の沖縄振興開発のエントリーシートの質問事項について の記事とても興味深く拝見させてもらいました。実は、 私は沖縄の某大学の4年生で就職活動をしていました。 で、私も沖縄振興のエントリーシートのその質問事項を目にして 本当に驚きました。

 大学生が驚いていた項目なのに、いい大人(のはずでしょ?)の 集まりである沖縄公庫がどうして「これはまずいよ」と思わなかったのか。 指定履歴書をもとに面接したのなら、役員たちも見ている のではないか。みんなそろって無神経なのか何なのか。

 『新報』の記事のお陰で、沖縄県内の民間企業の 採用担当者たちだって勉強できたはずだ。来年以降、 マスコミが見張っているからね。(沖縄王・西野浩史)






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