琉球舞踊館「うどい」の開設年を“仲良く”間違えた『沖縄タイムス』と『琉球新報』


 何だか最近は地元紙をネタにすることが増えてしまった。 ふぅ〜(ため息)。好きでネタにしているのではない。 “面白い”ネタが転がっているので、 ついつい書いてしまうだけである。わはは。 実に簡単に原稿ができあがるし、笑えるので、書いていて 楽しかったりする。ありがとうね。

 というわけで、地元紙が2紙ともずっこけた話を 紹介しておこう。

 玉城村にある琉球舞踊館「うどい」は、沖縄に友人や知人が 来た時は「ぜひ!」と私が自信を持って薦めている場所である。 ここが営業を始めたのは、2000年1月のことだった。1日6回の 公演を重ねてきて、今年の9月8日には5000回の公演を達成した。 素晴らしいのである。ところが、これを報道した地元紙2紙は 素晴らしくなかった。

 9月11日付『沖縄タイムス』は<2001年1月の開設以来、 足かけ2年9カ月で大台に乗った>と書いちまった。 同紙は7月27日付の「わが街の社長さん」欄で「うどい」の平良 信孝さんを取り上げた際には<開設して2年半>と正確に 記しているのに。<足かけ2年9カ月>と<開設して2年半>の表現では、 「最初の年を数えるかどうか」が違うことを分かっているかな?

 『琉球新報』はどう書いたか。9月11日付『タイムス』の記事「踊り続けて 5000回」を見て初めて知ったらしい『新報』は、それから2日後の 13日付で「公演5000回達成」と書いた。ところがやはり<20001年1月に オープン>と『タイムス』と全く同じ間違いをしている。♪親亀が コケたら小亀もコケた♪ かな。

 両紙とも、「1日6回公演」であることを記している。これをもとに 簡単に計算できるはずなのだ。大雑把に計算して、1年間の公演回数は 365日×6回=2190回である(小学生程度の算数ね)。5000回の 公演となると、2年以上かかることはすぐに見当がつくわな(これも 小学生程度の算数)。今年は2002年だから、<2001年1月の 開設>や<2001年1月にオープン>という記述では計算が合わない こともすぐに分かるでしょ(またまた小学生の算数ね)。

 何で間違うんだ? 記事を書いたのが1年生記者で(ぷぷぷ)、 両紙とも校閲部がなくて(ぷぷぷ)、デスクが間抜け(給料泥棒ともいう) なんでしょうね。こうした“三重苦”がなければ間違うはずがない。

 余計なお世話かもしれないけれど、 校閲部はあったほうがいいよ。それも、臨時社員を雇ったり 正社員を一時的に異動させるのではなく、 “職人さん”たちの場としての校閲部であるほうがいい。全国紙や 大手出版社の校閲部門を見学に行ってみることを薦めたい。

 「うどい」社長の平良さんは言う。「読者は正確な記事を 求めていると思います。情報を正しく伝えてほしい」

 それにしても、2紙がそろって間違ったのが興味深い。 先に報じた『タイムス』はいざしらず、追いかけた『新報』までが 同じ間違いをするとはねぇ(しみじみ←わざとらしい)。どうでもいいことだ が、 沖縄王の「遊ぶ」欄で「うどい」を紹介したことがある。もちろん、 記事は正確である。(沖縄王・西野浩史)






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