王直属・特別調査団がゆく

糸満市で大城潤也さんの情報を入手した
  
 「ひよこ」さんから次のような依頼が来た。
<かっこいい子知ってるんですけど載せてもらえますかね?  私がよく行く喫茶店の従業員の男の人が、すごいカッコイイんですー。その人目 当てで時ゴハン食べに行くぐらいです>
 店の名前は「パパの家」と言う。<南部徳洲会病院の前の道を 糸満向けに進んで3個目の信号を右に曲がるとあります>という 情報を頭に叩き込み、さっそく私は西原町から原付を 走らせた。

 南部徳洲会病院の前に信号機が2つある。最初から想定外の展開である。どち らから数えるかによって、曲がる角が違ってくる。 手前の信号機から数えて3つ目を曲がったが、行けども行けども 田舎道だ。もと来た道に戻り、さらに走る。東風平大橋を過ぎて 最初の信号(右手に赤松園芸の看板が見える)を右折する。 すぐに「パパの家」を見つけた。

 店に入ると、なかなかの好青年が出迎えてくれた。彼だな。 写真を見て欲しい。なかなか甘いマスクでしょ。 私の徳島時代の友人・近藤周に似ている(誰も知らないか)。 私の祖母がいつも「近藤君は男前じゃなぁ」とほめていたことを ふと思い出した(祖母がほめていることを伝えるたびに、 近藤は嫌そうな顔をしていたが)。 彼に事情を話し、さっそく取材である。

 大城淳也さん(1979年1月23日生まれ)という。この店の オーナーシェフの長男である。東急ホテルを定年退職した父親が 始めた店で、コック助手兼ホール担当として働いているのだ。 ここは家族経営で、女性スタッフは妹さんである。

 文化や言語に関心がある。海外留学を考えていた時に、 地元の文化を分かっていないと外国に行っても仕方ないと思い、 沖縄の文化についての勉強を始めた。ここで三線に出会う。 音色に心揺さぶられ、4月から週に2回本格的に習い始めた。 6月には「伊野波節」で沖縄タイムス社の新人賞を受賞した ほどだから、三線へのほれ込みようが分かる。

 高校時代はバンドを組み、ボーカルとドラムを担当していた。 今も音楽を聴くのが大好きで、その時間を確保するために 1人で気ままにドライブする。ロックやジャズ系がお気に入りだ。 特に好きなのは米歌手のフィオナ・アップルとロックバンドの エクストリームである。車の窓を開けて大音響で走る。 しかし信号待ちで停止する時は周囲に音が漏れるのを避けるため、音を絞る。常 識をわきまえ、気配りができる青年なのだ。 ドライブ中に登川誠仁のCDを聴くこともある。

 休日の午後は友人たちと糸満市役所近くの体育館で バドミントンをしている。正直な話、ロックとバドミントンは 不釣合いな感じがしないではない。でも意外性があって いい。

 彼女はいない。付き合うなら、音楽の好きな女性がいいと 思っている。助手席に座ることができる幸せ者は誰だ?!(沖縄王・西野浩史)
 





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