沖縄の物価は安くない

 沖縄の物価は安いという安易な記述が沖縄紹介本に出てくることがある。 県民もそう思っているようだ。しかし、私は必ずしもそうではないと思う。 根拠の一例を示そう。(沖縄王・西野浩史)

 欲しいデジカメがある。ミノルタのDIMAGE7だ。定価は16万5000円である。 県内ではいくらで買えるか。私がよく買い物をするベスト電器那覇店では12万 9800円で販売中だ(11月4日時点。税別。以下同じ)。ほかでもおおよそこの価 格で販売されている。
 100円で1ポイントためることができる。つまり1%引きと同じである。 ポイント分を差し引くと、実質12万8502円で買える。

 では、これをカメラ量販店で買うといくらになるか。 ヨドバシカメラが運営しているネット販売のサイト「ヨドバシドットコム」が 11月9日までの期間限定で「リニューアルオープン記念特価セール第2弾」を実施 していた。ここで偶然にもミノルタのDIMAGE7を販売していた。
 通常価格12万5900円がこの時は10万9800円になり、 さらにポイントが13%還元される(通常の還元率は10%)。 ということは実質9万5526円で買える。通販だが、送料は無料である。

 県内で買うと3万2976円高い、ということが分かる。 購入価格に5%の消費税がかかるから、実は価格差はもっと広がる。

 こうした価格差は何も沖縄だけの問題ではない。 大都市圏から離れるにしたがって競合する店が減り、 価格競争が少なくなり、同じ商品であるにもかかわらず 高い価格で買わざるを得ない状況になるのだ。 しかし、消費者の立場で見ると、県民所得が日本で一番低いと言われる 沖縄で高い買い物をさせられるのは割に合わないと私は思う。

 かつて私は取材でヨドバシカメラなどのカメラ量販店と東京・秋葉原の 電器屋の価格を数週間に渡って比較調査したことがある。 やはり全般に秋葉原が高かった。秋葉原の電器屋店員の中には 「カメラ量販店がこの周辺に出店したら、 私たちは大変なことになる。価格は絶対にかなわない」と打ち明ける 人がいたほどだ。

 では県内に住む私たちはどうすればいいのか。 一番いいのはカメラ量販店を沖縄に誘致することだが、 商圏の狭さを考えると難しいだろう。東京まで買い物に行くわけにもいかない。
 そう。カメラ量販店はそれぞれサイトを持ち、 通販をしているから、これを利用すればいい。 情報を集めて比較することが大切だと思う。インターネットを 使えば簡単にできる。







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