住所:北谷町宮城3−177 → 地図
電話:098-926-0588
営業時間:午前11時から午後8時
定休日:水曜
駐車場:ある
ホームページ:
  http://www1.odn.ne.jp/blue

メニューのほんの一部
(詳細はホームページを見てください)

ブレンドコーヒー 400円
アイスコーヒー 400円


東シナ海とダイビングとケーキの
カフェブルー


 店内も食器も青と白で統一されている。青色は 人と相性のいい色なのかもしれないと思わせるものがある。

 お客さんが長い時間くつろげるようにと、 雑誌や本を置いてある。 子供用の絵本もある。そういう店なのだ。

 店の雰囲気がいいからだろう。女性客が多い。外国人も やってくる。やってくるといえば、嘉手納基地を離着陸する 米軍機の空路が非常に近いので、その轟音が時折やってくる。 ズドドドドと腹に響く。

 店を切り盛りする窪田義信さんと錦織泰宏さんは、 それぞれ北海道函館市と新潟県新津市の出身だ。 ふたりそろって1968年生まれで、寒い地域で生まれたという共通項がある。 私が言うのは何だが、ふたりとも男前である。しかも、人当たりがいい。 私が女なら、こんな男を好きになるだろうなと思う。

 ふたりが出会ったのは、東京にあるダイビングの店である。 2002年3月にダイビングインストラクターの資格をそろって取った。 「お金を出し合ってダイビングの店を開けるといいね」と話し合い、 同年7月に沖縄に移住した。

 ダイビングで沖縄を訪ねるうちに、 ふたりとも沖縄への憧れを募らせたのだった。「地元の人は素朴で温かい。 住みやすい。海がきれい」。三拍子そろっているというわけだ。

 さて、何から手をつけようか。ダイビングで 沖縄に来るたびに立ち寄り、コーヒーを飲んでいた店があった。 沖縄に移り住んで3日後にその店に顔を出してみたところ、 店主は東京に戻ることになっていた。 「よかったら、やってみない?」と言われた。 コーヒーを飲みながら、「将来カフェをしてみたい」と 話していたことを店主が覚えていたのだ。

 1ヵ月間考えて、結論を出した。「やります」。それが 今の店である。

 開店準備の始まりだ。買い物をしながら「お金がないんですが」と 正直に話せば、「安くしてあげるよ」という返事が返ってきた。 多くの協力があった。2003年1月5日に営業を始めた。

 錦織さんは調理師免許を持っている。 東京で10年くらい菓子職人として 技を磨いてきた。だから、ケーキは正真正銘の 自家製である。誕生ケーキなどの注文も受ける。自家製だから、 ハート型や自動車型、子犬型など何でもござれ。 味は同業者が評価するほどの折り紙つきである。

 クッキーなどの焼き菓子もうまい。もちろんこれも 自家製である。

 ふたりそろってコーヒー好きなので、コーヒーにも 力を注いだ。ケーキで使うために独自に混合した生クリームをコーヒーにも 使う。やわらかい酸味と香りが特徴だ。

 紅茶の「ジンジャーピーチ」と「トロピカル」は、 紅茶好きの前店主から受け継いだ。

 ふたりの名刺には「有限会社ブルーワークス」とある。 会社なのである。「青にこだわった仕事をしていこう」というのが 社名の由来だ。こうして、カフェブルーという名の喫茶店と、 もう一つ、スクーバダイビングの指導を柱にすえた。

 せっかく沖縄に住んでいるのにこれまでは海に潜る機会が ほとんどなかった。そこで、定休日の水曜はスクーバダイビングを 教えることにした。

 この店を私に教えてくれたのは、北海道の人だった。 その後何度か店を訪ねた。そのたびに感じたのは、 店を切り盛りするふたりの人柄だ。力まず飾らず淡々と、 しかし夢を持って前進している姿が、私には魅力的に見える。

 さて、締めの部分で、「カフェブルーは 沖縄の『グランブルー』である」と書こうかと一瞬思ったが、 やめておくことにした。意味不明だからである(何のこっちゃ)。

 カフェブルーは北谷界隈の名物喫茶店になる可能性を秘めた 店である。(沖縄王・西野浩史)






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