目が離せない「人魚亭」

 開業して間もない。しかし、昼時になると、 ランチ目当てのお客さんでいっぱいになることがある。 いい店にはお客さんが集まってくるのだ。

 私もランチを食べに行くことが多い。 1回食べてみて、それ以来、よく利用するようになった。 私の場合、味と価格と量の均衡ぶりを総合判断する。 どれが欠けてもダメだし、不均衡でもダメである。

 ソースがうまいなぁと思い、聞いてみたところ、 「ソースには凝っているんです。独自のものを 作っています。例えばとんかつソースにはリンゴや 梅酒、野菜などを加えてまろやかにしてあります」と 店長の佐久本典和さん(53歳)は明かす。

 「人魚亭」という店名はジュゴンに由来する。 「報道されるまで、沖縄の海にジュゴンがいるとは 知らなかったので、びっくりしました。それで、ジュゴンを もとに『人魚』をつけたんです」

 佐久本さんは海に潜って遊んだり、海で釣りをしたりしてきた。 それだけに海の環境には関心がある。「これまでは回遊してきた魚の 姿が見えなくなったりしています。海の環境が変わってきているのでは ないかな」と心配する。

 15年ほど前、大雨が降ったあとの沖縄に本土から帰って来た時のことだ。 飛行機の窓から見える沖縄本島は、周囲が赤土に囲まれていた。 「沖縄のよさは海の美しさにあると思うんです。観光客だって 海に惹かれて沖縄に来ることが多い。だから、 海を美しく保たなくてはいけないと思うんです。でも、 県は観光客が400万人だとか 500万人だとか言っているだけで、肝心の海や受け皿を どうするのかということができていないでしょ」

 さて、話を人魚亭に戻そう。

 佐久本さんは手先が器用なので、 店の看板や食卓、イス、棚などをすべて作ってきた。なお、看板には 「喫茶人魚亭」と「食事処人魚亭」の2つがかかっている。「『喫茶』で 軽食の印象を抱かれると困るので、食事できますよということを明確に出すために 『食事処』という看板も出したんです」

 人魚亭には別室がある。入りきらないくらいお客さんが多い時や模合をする人たちに 提供する。火鉢を配しているので、寒い季節にはたっぷり温まることができそうだ。 もちろん暑い夏には火鉢は隠れるようにしてある。

 これからの計画もたくさんある。夜はピアノ演奏の時間を設けたり、 店の前に「幌馬車」を置いて食べものを販売したりする予定である。 幌馬車が登場したら、佐久本さんの手作りだと思って 間違いない。(沖縄王・西野浩史)


住所:西原町上原190−1
電話:098−944−3575
営業時間:変動するが、ランチは午前11時30分から午後2時まで
定休日:日曜
駐車場:基本的にはないので、店の周辺に駐車するお客さんが多い

メニュー
定食
とんかつ定食 800円
ハンバーグ定食 和洋 800円
白身魚のムニエル 800円
白身魚の香り揚げ 800円
白身魚クリームソース 800円
しょうが焼き定食 800円
ポークソテー 800円

パスタ
ナポリタン 600円
ミートソース 600円
きのこクリーム 650円
ナス&ベーコン 650円
和風 650円
タコス・タコライス 600円

ブタ照り焼き丼 600円
カリカリ甘酢丼 600円
カレーライス 500円
(トッピング)
 ナス・チーズ・ベーコン 50円
 ビーフ・ウインナ― 100円
 カツ・ハンバーグ 150円

 
ドリンク
コーヒー 350円
アイスコーヒー 350円
カフェオレ 350円
アイスティー 350円
紅茶 350円
コーラ 350円
オレンジジュース 350円

トースト
(ドリンクセットは150円プラス)
トースト 400円
シナモンフレンチトースト(ヨーグルトつき) 450円

   サンドイッチ
(ドリンクセットは150円プラス)
ミート&エッグのオープンサンド 500円
ローストビーフのオープンサンド 550円

ショートケーキ
(ドリンクセットは150円プラス)
レアチーズケーキ 350円
ベイクドチーズケーキ 350円
抹茶ケーキ 350円

日替わりランチ 650円

お酒
ビール 400円
ワインクーラー 350円

 


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