天気のいい日はテラスで過ごそう。運がよければ気持ちよく泳ぐ鯨の姿を見ることだって出来る


手作りパイナップルジャムとクラッカーは寿紗代さんの作品に入っての登場。ティータイムがますます楽しくなる


寿紗代さんの作品の数々。見ているだけで優しい気持ちになれる



住所:東村高江325-1
地図
電話/ファクス:0980-43-2766
営業時間:午前11時〜日没まで
定休日:火曜
駐車場:15台ほどのスペースがある
ホームページ


美しい海と素敵な琉球ガラスを愛でる
「グラスアート藍」


 あるお土産屋さんで寿紗代さんの作品を手にしたのは 1年ほど前のこと。これまで私がイメージしていた 琉球ガラスとは異なる柔らかなパステルカラーの作品に 一目ぼれしてしまった。

 水玉模様のグラスやお皿は どれも愛らしい。指輪置きは、洗面所や台所で 指輪をちょっと外しておきたい時にとても便利だ。 寿さんの作品を実際に生活の中で使えば使うほど、 温かな心遣いが伝わってきて、愛着が増してくる。 私は私自身のためにこれからも一つずつ寿さんの作品を増やしていきたいと思っ ている。そんなことを思っていると、寿さんの工房にショップ喫茶が併設された 「グラスアート藍」が 東村にあると耳にし、「沖縄王」スタッフのkiyomiちゃんと共 に訪ねてみた。

 静かなヤンバル路を進み、たどり着くと、 最初に東海岸の美しい海が出迎えてくれた。 絶景である。寿紗代さんのお母さんで 「グラスアート藍」の代表者である理津子さんによると、 「鯨の姿が見られる日もありますよ」とのこと。 何ともゆったりとした心持ちになる。

 飲み物はポットでカップ2杯分の量だ。 それだけではなく、クラッカーと理津子さん手作りの パイナップルジャムのサービスがついてくる。 酸味のきいたジャムの味は格別だ。 私たちはケーキセットのりんごタルトと抹茶ケーキを それぞれ注文した。 「おいしいと思うものしか出しませんよ」と笑顔で 語る理津子さんの言葉どおり、 厳選されたケーキはまさにオススメの味である。思わず 時間を忘れてくつろいでしまった。

 寿さん親子は兵庫県の出身である。高校時代、 美術を学んでいた紗代さんは修学旅行で沖縄を訪れる。 その後、理津子さんとの会話に何度も 沖縄が話題にのぼり、理津子さんを沖縄への旅に 誘うようになる。しかし、理津子さんは当初、沖縄 行きに気乗りしなかったという。 「戦場になった沖縄に観光に行く気持ちにはなれなかった。 謝ること以外で沖縄の地を訪れてはいけないと思っていた」 という理由からだ。しかし、紗代さんの誘いに半ば 根負けする形で沖縄の地を踏む。

 沖縄の海の美しさに魅せられた理津子さんは 「この美しい海を見なければ損をしてしまう」と思う。 理津子さんが初めて沖縄を訪れた半年後には、 親子で沖縄への移住を決意し、実行に移した。 その行動力に私はただひたすら感動してしまった。 理津子さんの語る「人生もう一回チャレンジしてもいいと思った」という言葉 に、元気をもらったような気持ちになる。

 1996年、理津子さんと共に沖縄で暮らすようになった 紗代さんは、琉球ガラスを学び、1998年に糸満市で 「グラスアート藍」を設立する。そして、1999年の大晦日、 現在の工房に引越し、2000年の年明けを迎えた。 藍(あい)という名前には、海の色の藍、愛情の愛、 私自身のI、見つめる瞳のEYEなど、たくさんの熱い思いが 込められている。

 店内では、紗代さんが一つ一つ心を込めて 創りあげた作品が展示・販売されている。 また、あらかじめ電話で予約をしておけば、 1人1800円でグラス作りを体験することができる (ただし2人以上)。宙吹きという作り方で 紗代さんが手間をかけて教えてくれるおかげで、 体験者の個性が十分あらわれた、世界に1つしかない 作品が誕生する。

 グラスの色は、桜をイメージしたピンク、 沖縄の海の色をイメージしたブルー、 ヤンバルの緑をイメージしたグリーン、 ティダ(太陽)をイメージした濃い黄色(オレンジ)の4色から 好みを選ぶ。体験者の中にはリピーターがおり、 グラスの4色制覇の後、お皿作りに挑戦している ツワモノもいるそうだ。近々、アクセサリー作りの体験コースを もうけるとのこと。リピーターにはさらに嬉しい情報 だ。

   お店を訪れるお客さんやガラスづくりを体験する人の ほとんどが沖縄の人だ。県外からの注文ももちろん受けるが、 基本的に地元のお客さんを優先する姿勢をとっている。 県内のホテルや土産物店に作品を提供することを 第一に考えてきた結果、昨年のテロによる沖縄への 観光客激減で「グラスアート藍」も かなりの打撃を受けたという。

 私は、愛する寿作品を広く皆さんに伝えるために、 ひいては観光立県を目指す沖縄の経済的自立のために、 私に出来ることは何だろう……と、 ちょっと真剣に考えてみた。 その結果、未婚のkiyomiちゃんに 「披露宴の引出物は、藍の作品にしたらいいよ」と提案してみた。すかさず「結 婚式には私も呼んでね」と付け加えると、 「単に藍の琉球ガラスがほしいだけでしょ」と突っ込まれてしまった。うぅむ。 そんなことないよ。 私はkiyomiちゃんの幸せを心から祈っているのだから。 何てったって、「寿」さんの作品だもの、 縁起がいいに決まってる。おあとがよろしいようで……。 (沖縄王・新屋敷弥生)



<メニュー>

オキナワンティー(県産新茶・ホットのみ) 500円
ブレンドティー(アイス) 500円
アッサムティー(ホットのみ) 550円
キャラメルティー(ホットのみ) 550円
バナナティー(ホットのみ) 550円
マンゴーティー(ホットのみ) 550円
オレンジティー(ホットのみ) 550円
ブレンドコーヒー(アイスまたはホット) 500円
レモングラス(ホットのみ) 500円
ローゼル (ホットのみ) 500円
ハイビスカス(ホットのみ) 500円
ラベンダー(ホットのみ) 500円
カモミール(ホットのみ) 500円
中国茶(ホット)ミニ豚マン付き 500円
ビール(おつまみ付き) 600円
コーラフロート 450円
コーヒーフロート 550円
ティーフロート 550円






シークヮーサーシャーベット(沖縄特産) 450円
アイスクリーム(バニラ) 400円
パッションフルーツジュース 400円
オレンジ(100%果汁)ジュース 400円
アセロラジュース 400円
グヮバジュース 450円
マンゴージュース 450円
シークヮーサージュース 450円
コカ・コーラ 350円
ケーキセット(りんごタルトまたは抹茶ケーキ、 ティーまたはコーヒー) 650円
スパイシーホットサンド(ティーまたはコーヒー付き) 700円
カレーセット(ティーまたはコーヒー付き) 800円
※カレーは土日祝祭日のみ。平日は要予約。


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