放し飼いのメラカメレオン君


おいしそうにほおばるケヅメリクガメさん


貫禄のニシキヘビ様


ちっちゃくてかわいいミニカメレオンちゃん




住所:沖縄市山里3-1-15
地図
電話&ファクス:098-933-8068
営業時間:午後1時から午後10時
定休日:水曜、第4土曜
駐車場:ない
ホームページ:http://www6.ocn.ne.jp/~the/



「THE 爬虫類」

 球陽高校通りを車で走っていると、ある看板がいつも目につく。 「THE 爬虫類」という、その強烈なお店の名前に惹かれ、 どんな動物がいるんだろうと気になっていた。 そんなある日、『週刊レキオ』を何気なくペラペラとめくっていたら、 あるコラムが目についた。

 筆者が山原道をドライブ中に車に轢かれた瀕死のヘビを見つけ、 家に持ち帰ったという内容だ。 世の中こんな奇特な人がいるのかと大変感動したのを覚えている。 筆者の名前は「稲福 昇 THE 爬虫類オーナー」とある。 「あ、あのお店の人だ。これはもう会いに行くっきゃない!」と 取材を名目に、半分は私的好奇心でお店へ向かった。 残念ながらオーナーは出張でいなかったのだが、 代わりに奥様の玲子さんに話を伺った。

 稲福さんは小学3年の時にアカマタに噛まれたのをキッカケに、 小さいながらも人間に立ち向かうヘビの強さや、 手も足もなく木をスルスルと登る動きに魅せられ、 爬虫類を飼い始める。ハブを卵から孵化させたこともあるそうだ。 今までにイグアナやボールニシキヘビを飼い、ついにはワニまで飼うようにな る。沖縄でワニの飼育許可申請を取った人は稲福さんが 初めてだそうだ。

 だんだんと周りに爬虫類好きの友達が増え始めたのだが、 もっとたくさんの人に爬虫類の良さを伝えたいと思い、1996年8月8日に お店を立ち上げた。立ち上げた当初は、やっていけるのかという不安の中、誹謗 中傷の嵐が少なくなかった。「何度か涙を流しそうになった」と 当時の苦労を玲子さんは打ち明ける。しかし、ペットとして爬虫類を飼うという ことが次第に認識されるようになり、今では老若男女を問わず、北は本部から南 は糸満まで、爬虫類好きのお客さんが沖縄に1軒しかないこのお店に集うように なった。

 取り扱うのは、カメやトカゲ、ヘビ、ヤモリ、カエル、イモリ、タランチュ ラ、 サソリなどだ。エサ類やスポット、ヒーターなども販売している。 季節によって売れる種類があるという面白い話を聞いた。 ちなみに春先は「カエル、イモリ」、夏は「トカゲ、カメレオン」、 冬は「ヘビ」が出るそうだ(秋がないのが沖縄らしいね)。 今年はヘビ年にちなんでヘビを飼うお客さんが多いそうだ。

 トカゲとイモリの区別がつかなかった私ではある。 トカゲは主に乾燥地帯に、イモリは両性類で主に湿地帯に生息する。 一世を風靡したあの「ウーパールーパー」はイモリに分類される。

 爬虫類をペットとして飼い始めると、ひとつの種類では収まらなくなり、 「あれも、これも」といろんな種類に手を延ばしてみたくなるそうだ。 無臭で音を立てないので、アパート住まいでも飼えるのも 魅力のひとつなのだろう。

 気になるお値段はミドリガメ(280円)から グリーンパイソン(12万2000円)とさまざまだ。 店内にない種類でも、予算とお好みに合わせて、注文に応じるそうだ。 ほかに飼育指導も実施している。

 「爬虫類図鑑を目の前で広げられるのもイヤだった」という玲子さんが、 今では素手で触れるくらいに慣れてきた。「それぞれ性格が違うのが面白い」と 言う。育て方で変わってくるというので、これから飼われる方は指導を受けて正 しく育てると良いだろう。

 爬虫類を間近で見られるという滅多にない機会にドキドキしながらの取材で、 イグアナ君と目が合ってドキドキしながらも「あ、(私を)見てる、見てる」と ワクワクしている自分がいた。とても気さくな玲子さんと話していたところ、 オーナーが出張から帰ってきた。稲福さんは、私が想像していたよりもはるかに シャイで優しい雰囲気の方だ。この方がワニを扱っているとは 到底想像できない(失礼かな?)。

 『週刊レキオ』のコラムで稲福さんは 「生き物を無意味に殺生するのを止めよう」と説く。 実際、コラムを読んだ近所の方(涙が出るくらい感動したそうだ)が 「私の娘の家にヘビが出たけど、毒持ってるものかねー?」と聞いてきたそう だ。稲福さんの運動(?)が、徐々に広まりつつあることに私はうれしい。最後 に稲福さんがコラムで書かれた歌の引用で私も締めくくろう。 「ミミズだって、オケラだって、アメンボだって、 みんなみんな生きているんだ、友達なんだ〜♪」(沖縄王・Kiyomi.G)




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