お店の外観は夢のある作りになっている


店内の蔵書数は約12000〜13000冊という充実ぶり


木のおもちゃはぬくもりが感じられるものばかりだ



住所:西原町上原116-6
地図
電話:098-946-6066
ファクス:098-946-6139
営業時間:午前10時〜午後7時
定休日:日曜日(祭日営業)
駐車場:店の前に数台分



絵本と木のおもちゃの店「トムテ」

 私には幼い娘が2人いる。毎晩、それぞれに1冊ずつ 絵本を選ばせ、私が娘たちの真ん中に横になり (逆川の字になって)絵本を読んでやる。いや、 「読んでやる」という表現は適切じゃないなぁ。 娘たちとのコミュニケーションをしっかりはかりながら、 私自身も絵本の世界に引き込まれているのだから。 親子3人で楽しむ素敵な時間を1日のしめくくりにして いる・・・という感じかな。

 だから、今回このお店を紹介したいと思った。 というのも、もちろんある。だけど、このお店の存在を 私は独身時代から知っていて、実はずっとファンだったり する。私に「トムテ」を教えてくれたのは、当時、 私が思いを寄せていた人だ。その人は言った。 「大人だって絵本をもっと楽しんでいいと思うんだ」。 読書家の彼は結構むずかしい哲学書なんかも 読んでいたから、その言葉を最初に聞いた時は、 正直なところ意外だった。

 子どものころ手にしていた絵本は、すでに 成人していた私には縁遠いものになっていた。 絵本専門店をのぞくのは小さな子どもへのプレゼントを 求める時だとばかり思っていたのだ。 当時の私は実にアサハカだったなぁと思う。 絵本は決して子どもだけのものではない。 ほんわかとした気分になったり、ワクワクしたり、 ドキドキしたり、時には世の中のルールをさりげなく 教えてくれたりする。そう、絵本の世界は実に奥が深い のだ。大人だって十分楽しめる。 流行の言葉でいえば「癒し」になったりもする。 店長の小林茂男さんも「いろいろと残虐な事件が 起きるようになってしまった今だからこそ、 あえて大人にも絵本を読んでほしいですね」と 語っていた。

 私が最初にトムテを訪れたのは、 お店がまだ国道329号線沿いにあった時のことだ。 現在の場所にお店が移って2年目になる。ちなみにオープンから14年の歳月が流 れている。母親に連れられて 訪れた子どもが、時を経て、懐かしがって店を 訪れることがある。近くに琉球大学があるので 学生もよく訪れる。幼い時に手にした絵本を見つけ 嬉しそうに購入していく大人もいるそうだ。 実は、かくいう私も子どものころ胸をときめかせて ページをめくった『おおきなきがほしい』(さとうさとる作 ・むらかみつとむ絵)という絵本をここで見つけ、 購入したことがある。嬉しくなって店員さんに 「この絵本、子どものころからのお気に入りなんです」と、思わず声をかけてし まった。 店員さんは優しそうに微笑みながら、 絵本を手渡してくれた。

 店内には小林さんやスタッフの方々が選び抜いた 絵本や児童書が12000〜13000冊ほど並んでいる。 絵本はロングセラーになったものが中心だ。 小林さんによると、「最近はキャラクターを主人公にした 絵本などもたくさん出ているのですが『ぐりとぐら』など、 基本的には息の長い名作が売れているんですよ」 とのこと。絵本の寿命は長いのだ。 小林さんのおすすめの絵本をいくつか挙げてもらったところ、『100万回生きた ねこ』『わすれられないおくりもの』 『おおきな木』などの名作が次から次に出てきた。

 季節に合わせた本もそろえている。 最近では七夕の本を選定していた。絵本ばかり ではなく保育書や一般書もそろっている。探している本が見つからなかったら、 店員さんに気軽に声をかけよう。 親切に対応してもらえるはずだ。懐かしい絵本に 再会すれば、きっと心豊かな時を過ごせることだろう。

 スイスやドイツの木のおもちゃも充実している。 カラフルなおもちゃは部屋のインテリアとしても 十分楽しめそうだ。温かな木のおもちゃは、絵本同様、 子どもから大人まで楽しめる。

近々4歳の誕生日を迎える娘たちの手をひいて、 トムテをまた訪れよう。娘たちよりも私の方が 楽しんでいたりして・・・そんな私を見かけたら、 皆さん、やんわりと注意してね。(S)


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