住所:南風原町津嘉山1597-3
地図
電話/ファクス:098-888-3678
営業時間:午前10時〜午後9時
定休日:第3月曜(開店している場合もあり)・年末年始・旧盆・子どもの日


メニュー
津嘉山ロール 1本・1100円 1個・280円
かぼちゃパイ 150円
かぼちゃブッセ 150円
かぼちゃクッキー 大(1袋)・350円 小(2個入)80円
プチシュー 40円
プチシューショコラ 60円
チーズケーキ 200円
シフォンケーキ(ブルーベリーソース添え) 200円
ショートケーキ 260円
お豆腐のババロア 280円
マンダリンショコラ 300円
クリームブリュレ 350円
アナナスフランボワーズ 280円
チョコロール 270円
ミルフィユ 280円
スクランブル 250円
カルディナール 250円
チョコの家 270円
紅芋モンブラン 260円
マッチャトランシェ 270円
スペイン風チーズケーキ 250円
ガトーショコラ 270円
マロンカフェロール 280円
クレオール 290円
フルーツタルト 260円
フェスター 260円
ショコラクラシック 200円
モンブラン 270円
フレーズヨーグルト 280円
キュイット 280円
フォンドカステロ 280円
グロリエッテ 280円
ミルフィーユ 300円
レアチーズ 260円
デュオショコラ 300円
そのほか、パウンドケーキ、クッキー各種
ケーキセット550円(店内のショーケース内から一品+飲み物) レモングラス 400円
アイスコーヒー 350円
アイスティー 350円
ウーロン茶 350円
オレンジジュース 350円
ホットコーヒー 400円
ホットティー 400円


津嘉山ロールの店「デュオ」

 南風原町の特産品といえば「かぼちゃ」を真っ先に 思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。 そのおいしいカボチャをたっぷり使ったロールケーキやパイ、ブッセ、 クッキーを扱っているのが、今回紹介するケーキの店「デュオ」です。

 カボチャを使った洋菓子としてはパンプキンパイやタルトなどが すでに市民権を得ています。だから、格別目新しいものではありません。 しかし、「デュオ」のオリジナル・ロールケーキ「津嘉山ロール」は なんと生地の中にカボチャが練りこまれているのです!  店長の與那覇政儀さんによると「カボチャを使った洋菓子の場合、 シナモンやナツメグなどの香料を使うことが多いのですが、 津嘉山ロールは香料を一切使っていません」とのこと。 なるほど、それで、やわらかいロールケーキをほおばるとカボチャの 香りがほのかに漂ってくるのですね。そして、 じ〜んわりとカボチャのほどよい甘さが 口の中いっぱいに広がっていきます。そう、じ〜んわり、じ〜んわりと。 生地の色もカボチャの黄金色でコウゴウシイかぎり。まさしくカボチャのおいし いとこ取り! という感じなのです。

 「カボチャ好きなら間違いなく癖になりそうなおいしさですね」と、 率直な感想を與那覇さんに伝えたところ、「そうなんです。だからこそ、 カボチャ嫌いな人は、やっぱり苦手みたいです」なんて、おっしゃる。 生地に練りこむカボチャの割合などの研究を重ね、 構想から製品化まで1年の歳月を費やしたと聞いたばかりだったので、 「與那覇さんて、なんて謙虚なお方!」と思ってしまいました。 そして、同時に、こんなおいしい津嘉山ロールを口にできる私は カボチャ好きで本当によかった! と思ってしまったのです。

 そういうわけで、カボチャ嫌いなあなたは一考の価値ありですぞ。 津嘉山ロールにトライして、私のように幸せをシミジミ 感じてみませんこと? あっ、でも無理しなくてもいいんです。 なんてったって、19995年のオープン以来、 「デュオ」のファンの間では、ケーキのおいしさと種類の豊富さが 話題なのです。それもそのはず、與那覇さんは18年もかの有名な都ホテ ルで働き、ベーカー長までつとめたという経歴の持ち主なのです。 なんてったって「津嘉山ロール」の生みの親なのですから、 独創性にあふれているケーキ職人さんであることも間違いありません。 だから、どうぞ、あなたのお好みのケーキをチョイス して、楽しんでくださいね。

 ところで、與那覇さんが南風原の特産品であるカボチャを 使ったケーキをつくろうと思ったきっかけは何だったのでしょう?  尋ねてみました。すると、「皆さん、 よくおっしゃるんですが、特別なこだわりをもって つくったわけではないんです」という答えがかえってきました。 なんでも、「デュオ」の常連のお客さんはお店を訪れた際、 與那覇さんに「これ、食べなさいね」と野菜をおいていったりするのだとか。 その中に津嘉山カボチャがあり、蒸して食べてみると 「ホクホクして、とてもおいしいと思った」そうなのです。 それで、與那覇さんは、「これでケーキをつくってみよう」と考えたのです。 そして誕生したのが「津嘉山ロール」というわけ。それにしても、 ケーキ屋さんに野菜をもってやってくるおばちゃんの姿を想像してみると、 何ともほのぼのとした温かい気持ちになるものです。 津嘉山ロールは與那覇さんの正真正銘のオリジナルで、 初めて出会う味なのに、どこか懐かしい感じがしたのですが、 それは、こういう「誕生秘話」があったからなのかもしれません。

 もう一つ、與那覇さんが話されたお客さんとの楽しいエピソードを 紹介しましょう。ある年の5月5日の子どもの日、 いつものように與那覇さんはお店を開けていました。 子どもの日だからこそお客さんが大勢訪れるかと思いきや、 なかなかいらっしゃらない。みんな、家でケーキを食べるのではなく、 行楽地に出かけたのかなと思っていたところへ、 ようやく年配の女性のお客さんがいらっしゃった。ケーキを 渡す際、そのお客さんは次のような言葉を残してお店を去っていきました。 「なんで、子どもの日もお店をあけてるの? あんたたち、 子どもはいないのねぇ? 子どもがいるんだったら 子どもの日は休まないと(いけないよ)」。その翌年から「デュオ」の 定休日に子どもの日が加わったのは言うまでもありません。

 「沖縄では、引き出物などのお菓子の 最終決定権はおばあちゃんにある」と與那覇さんは 語ります。若い人が考え抜いて決めたお菓子でも オバァの「アラン(そうじゃない。だめ)」の 一言で注文するお菓子の変更があるそうです。 そんなオバァの強さに與那覇さんは心からの敬意を払っている様子。 オバァたちに注がれるまなざしも優しく温かいのでありました。

 「こだわりがある方ではない」と自身のことを話す與那覇さんでしたが、 このようなことも言っていました。「地域の素材をいかして 作り上げた物ですから、たとえば、南風原の方が 本土の知り合いを訪ねる際のお土産として利用されれば うれしいですね」。そうですよ、 私が南風原の人ならゼッタイそうするのに。 南風原ンチュじゃなくてホント残念、なんて思っちゃいました。 でも、待てよ、南風原ンチュ グヮーシー(南風原の人のふりを)して、 「そうさせてもらおうかな」なんて考えてます。 與那覇さんなら、あの優しい笑顔できっと見逃してくれそうな気がする んだけど、どうですか? 與那覇さん。





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