絶景100景--第15景

浜比嘉島で見た“ホタル”

 勝連から海の上を4キロも伸びる 海中道路を伊計島に向かって進むと、 すぐ右手に橋が見える。その橋を渡ると浜比嘉島だ。 橋を渡り、左に進むとマリンリゾートホテル浜比嘉があり、 そこには人工ビーチがある(一般の人も普通に入れる)。 今回は、橋を渡ってから、右に行く。

 しばらく進むと球場らしき広場がある。隣は海だ。しかも 透明度のかなり高い海だ。遠くまで見渡せる。 ビーチを見た瞬間、「おぉ?!」と奇声をあげてしまった。 「絶景」の取材に行くたびに私は奇声をあげている 気がする(笑)。

 この日は友人ら6人とビーチパーティーを楽しむために 浜比嘉島に来たのだ。ビーチには木陰などが全くないため、 パラソルなどを持参したほうがいいだろう。 強い日差しの中、ダッシュで海に頭から海に飛び込む。 水はかなり冷たく、気持ちがいい。 もうそれだけで最高だ。

 6人が思い思いに時間を過ごす。 砂浜でサッカーをしては、暑くなってまた海に飛び込む。 「何と最高の休日なんだぁぁ!」などと思う。

 夕暮れ時がやってきた。さすが浜比嘉島である。 まだまだ私をビックリさせてくれる。今度は夕日だ。 オレンジ色に光る夕日、空を眺めながら今日一日のことを 振り返る。まさに絶景としか言いようがない。

 外灯などがないので、夜になると真っ暗になる。 そこで花火を楽しんだ。満天には星空がきらめく。 寄せては返す波の音は静かに同じ鼓動を繰り返す。 これぞ日本の夏、沖縄の夏である。

 今回の「絶景」はまだ終わらない。ここから 話が始まると言ってもいいだろう。

 花火を終え、のんびりしていると、 一人の友達が海から手のひらに何かを持ち、 叫びながら猛ダッシュして来た。 「ホタル! ホタル!」。 一同「?」となる。 「海にホタルがいるわけがない」などと思いつつ見ると、 「おぉぉぉぉ?!」。本日2度目の奇声を発してしまった。 何と海の中を“ホタル”が「発光しながら」泳いでいるのだ。 真っ暗な海をポッポッと光っては消える。 海の中の“ホタル”が薄緑色の光を放つ光景は 「絶景です!」。

 興奮しながらみんなで“ホタル”を探した。 狂喜乱舞の状態になった。夏の休日に家族や友達、 恋人と朝から出かけ、海に入ってキレイな夕焼けを見て、 花火をして最後に“ホタル”に出会う―。こんな1日を 過ごしてみるのもいいのではないだろうか。 きっと最高の日なるのは間違いない。

 ただ、気を付けてほしいのがゴミである。 何気なく海辺を歩いているとゴミがけっこう目につく。 あれだけキレイな海をゴミで汚さないでほしい。 各自でゴミを持ち帰るということを実行したい。 来年も、再来年も、ずっとずっとキレイなままの海でいてほしいし、 “ホタル”に来てほしいから……。

 なお、海中に本物のホタルが生息することはない。 友人から「あれはウミホタルだ」と教わった。でも、 私の目には本物のホタルのようにしか見えなかった。 (沖縄王・喜友名朝也)





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